突然の解雇
入社して3週間経ったとき、同期入社(ともに中途採用)の3人のうち、1人が解雇となった。この出来事にはいささか驚いた。
午前中に僕と彼のプレゼンがあった。僕の次に彼、という順だった。内容は営業のロールプレイングで、マネージャー、社長が審査にあたった。僕は不満に感じたが、それなりに褒めてもらい、ほっとして席に戻って自習していた。そしていつの間にか昼休みになった。
僕はここ数日彼と昼食をしているため、例のごとく食事に誘った。すると彼は、今日は「煙草とコーヒーだけでいい。」と断った。僕はそれを受け入れてすぐさま食堂に向かった。そしてそれが最後の会話となった。
午後には彼は居なかった。パソコンは起動したまま、ノートは開いたまま、ペンが机上に置かれたままの状態だった。びっくりした。彼は日本でも指折りの大企業で働いていた方だった。社長によれば、コミュニケーション能力が不適格だった、とのことだった。
日本企業だったらこのようなことは無いだろう。一度入社すれば、能力が無くても解雇されることは滅多にない。適性や実力を重んじる外資系企業ならではのことだと思った。
でも、僕はこのような環境を求めていた。これまで以上に気を引き締めて頑張ろうと思う。