生きていると感じたとき

数週間前の話だ。ユニクロをぷらぷらしていたら、美女が僕の目の前を通り過ぎた。小さくてシャープな顔立ち、ほどよくふくよかな胸、そして、後ろ姿を見ると、お尻が左右交互にパンツを押し出していて、まるで僕を誘惑しているかのようだった。さらに視線を落とすと、やや太く感じられる太もも、ふくらはぎが踊っていた。僕の好みだった。しかし視線をあげると、そこには筋肉質な体をした男性が子どもを抱えていた。女性は人妻だった。そして強面の顔をした男性は夫だった。まさに美女と野獣であった。その頃僕は、生きることに少し疲れを感じていた。生きている実感がなかった。そんな折、ユニクロでこの美女とすれ違った。その瞬間を境に、生きようとする力がどこからか湧いてきた。生きようとする力、換言すれば、性欲だ。性欲は大切だと思った。性欲は人間の根源的な本能なのかもしれない。それを感じることは、生きることに対する意欲の表れなのだろうと思う。*1

*1:それから僕は、ジムに通うことにし、水泳や筋トレをして体を鍛えることにした。