オタクって?

大阪に行って来た。Lという女性と知り合ってから1年近くメール交換をしてきたが、お互い忙しく、ようやく会うことができた。彼女は阪大の大学院で公共政策の研究をしていて、学部生の時には東京にある大学にも留学したことがあるらしい。日本の漫画が好きだったのがきっかけで、中学から日本語を学び始めたらしい。

昼頃に大阪に到着し、近くでそばを食べた。その後、伊丹空港の北側にあるエアロフロント・オアシスで飛行機の離着陸を眺めていた。晴天に恵まれ、遠くには大阪の高層ビル群が見え、青い空へと飛び立つ飛行機もはっきり見えた。周辺には10台ほどの車が停めてあり、カップルたちが思い思いに真夏の午後を過ごしていた。僕らも、どこへ飛んでいくか知らない飛行機(それはまるで、どこへ進んでいくか分からない僕らの関係のよう)を眺めながら、まったりと過ごした。
 

彼女は、日本のアニメは凄く好きだし日本での生活は安全で便利だが、どうしても日本人とは合わないと言っていた。それゆえ、日本の友人は少ないらしい。その点は僕も理解できた。彼女は、早く中国に帰るか、アメリカに留学したいと言っていた。
僕は、このような考えを持った女性の友人を何人か知っている。カルチャーが合わず、帰属意識を感じられなければ、そう考えるのは自然だろうと思う。しかし、帰る場所があるからそのような事が言えるのだろうとも思う。僕にはそんな選択肢を持つ事ができなかった。そんなわけで、彼女らの苦悩に共感しつつも、どこかで距離を感じたのだった。

彼女は自分をオタクだと紹介してくれた。確かにそうなのかもしれない。外で積極的に行動したり、人と交わる性格ではないようだった。また、昼夜逆転の生活をしていて、食事もあまり摂らず、論文を書く以外はネットでDLしたドラマやアニメを見る生活をしていた。しかし、ラベリングをする事の愚かさは、そうされてきた僕が一番分かっている。それに、彼女の体がすごく心配になったきた。
今後、少しでも彼女の支えになれればと思った。